今回の話題
- ブリーダーとしてレベルアップしていくために必要なことを考える
- 段階を踏むのではなく、情報を収集しトライ&エラーをすることが重要
- ハイレベルなブリーダー程個性派に見える理由
今回は趣向を変えて少しメンタル的な記事を書こうかなと思います。自分なりの考えですので、「正しい考え」であるかどうかは分かりません。そこはよろしくお願いします。
僕は幸運ながら師匠と呼べる人物との出会いを果たし、様々な「常識」であったり「工夫」であったり「知恵」であったり「経験」であったりと様々なことを学ばせてもらいました。
そして、ツイッター等のSNSを通じて所謂ハイレベルなブリーダーの方の様子も少なからず伺い知ることが出来ました。
さらに多くの昆虫ショップを巡り、多くの店員の方とお話する機会がありました。
そんな中、僕も浅学ながらここまでブリードしてきた過程において、ブリーダーとしてレベルアップするために考えたことや思ったことを一度まとめてみようと思った次第です。
情報収集には時間をかけた方がいい
まあ、当たり前なんですけどね。段階を踏むために、まずこの種をやって感覚を掴んでからやりたかったこの種をやってみる。といった段階的な飼育は僕は避けるべきだと思います。
例えば、タランドゥスやってから感覚掴んでオウゴンオニやるとか、そういうのですね。タランドゥスの方が安いから・・・みたいなことです。
ノコギリクワガタ等は顕著ですけど、やっぱり種固有の特性というものは他の種で練習してどうにかなるものではありませんね。
それに、うまくいった理由もうまくいかなかった理由も正しい答えに辿り着くのは1周じゃ足りないと思います。要するに、自分がわざわざやらなくて良い一般論的な部分での試行錯誤は実に時間の無駄であり、掴んだ感覚もよほど時間をかけない限り大した精度ではないのです。
しっかり情報を収集した上で数ラインで考察と検証を繰り返して自分の感覚の精度を上げていくというのがブリードのレベルを上げる最短であり、これこそが最初から段階を踏もうとして割安の近縁種を飼育することをオススメしない理由です。
ブリーダーは皆さん膨大な仮説を立ててはトライ&エラーを繰り返しています。その情報を出来るだけ収集してペアリングなり産卵なり幼虫飼育なり「一般論」を頭の中で形成していないと、いざ自分が実践する際に残念極まりない低レベルなトライ&エラーをすることになり、失敗ばかりしてしまうことになるということです。
ハイレベルなブリーダーほど個性派に見える理由
ハイレベルというのは、色んな解釈があると思いますが、ここではあえて限定的な意味で定義しません。
産卵させた際の平均幼虫獲得数が多いことだったり、幼虫のアベレージ体重を増加させるのが得意だったり、はたまた採集に秀でている人もここではハイレベルとして考えます。
ハイレベルな人というのは好きでハイレベルになっている人達です。一般論的な土台の後のトライ&エラーのみならず、ときには一般論すら覆す持論を持っているほどの思考のある人です。例えば、「成熟とはエサを食べた時点で完了するものである」といった考え方です。理解の深度が進めば一周して基礎の部分を揺るがす思考に至るものです。そうなればそれは個性派に見えますよね。
成熟っていうものは例えば種によってはエサ食べてから3か月とかなんとかいう話です。
最も産卵に適した時期と、成熟を一緒くたに考えることが当たり前になってしまっているだけで、別々に考えることが出来ないでしょうか。そもそも、成熟がなんなのかちゃんと理解できている人がどれだけいるでしょう。みんなそう言ってるからそう思ってただけじゃないでしょうか。僕もその一人ですが。
こういった、成熟、初令管理、サイズについてはハイレベルなブリーダーの中でも意見が割れるところでしょう。
自分にも言い聞かせますが・・・
ここまできて自分のレベルに落ち込むことはありません。飼育を楽しむのにレベルもなにもありません。ただ、ハイレベルになろうと思ったら、高次元のトライ&エラーを「楽しむ」ということが最も重要なことでしょう。
前途した通り、ハイレベルな人は「好きで」ハイレベルになっている人達だと思うのです。