――――僕がクワカブ飼育を始めたのは35歳からです。
20年と少し前まで、外国産のクワカブの輸入が解禁されていない頃は、大きくて強そうな海外のカブトムシやクワガタを本で見ては心を躍らせていました。近所でカブトムシを取ってきても、当時は昆虫ゼリーだなんて便利なものは売っておらず、バナナやスイカ等をエサとして使っていました。それでも、自分がカブトムシを飼っている満足感は強烈で、それは幸せな気分でした。
やがて中学生となり、それ以降はカブトムシやクワガタのことなんて気にならなくなり、多くの時間が過ぎました。
ふと気が付くと、海外のカブトムシやクワガタの輸入が解禁になり、昆虫ゼリーという便利なエサが出現し、飼育ノウハウもネット上にゴロゴロと転がっていました。小さい頃に叶えられなかった少年の夢は今、こんなにも簡単に叶ってしまう環境が目の前に広がっています。さらには、それを副業にだって出来る時代です。
いい時代になった!クワカブ飼育やってみよう!
↓というわけで、これからクワカブ飼育を始める初心者に必要なことをまとめてみました。
1 飼育難度に関係なく、自分が好きなクワカブを飼育する
2 環境を整える
3 累代表記を知る
4 出来れば信頼出来るブリーダーを見つける
1 飼育難度に関係なく、自分が好きなカブクワを飼育する
「カッコ良くて好きだけど、難度が高いっぽいのでとりあえず簡単な種からはじめよう・・・」という考え方はナンセンスだと思っています。間違っているとは言いませんし、段階を踏んだ飼育がしたいというのも良いでしょう。
なので、これはあくまで僕個人の考えになりますが、
「好きだったら大丈夫!」
です。好きだったら情報をネットで探すのも苦になりませんし、飼育に関する試行錯誤そのものが楽しみのひとつになります。そもそも、飼育者によって環境は微妙に違いがあり、自分の環境下での経験が最も信頼できる情報です。実際僕の場合においても、巷でいうところの「簡単種」より「やや難関種」の方が安定したブリードが出来たりするケースがあります。
2 環境を整える
温度管理がネックになる場合があります。国産種であれば常温管理で冬場も越冬できるますが、多くの外国産の種の場合には越冬が出来ません。なので、安定して温度管理出来ないとなれば国産種に限る必要があります。しかし、先ほど述べたように好きなら頑張って対策してしまうものです。ぜひ頑張って対策して頂きたいと思います。温度管理対策の方法としては、
- エアコン管理
- 自作温室を作る
この二択だと思います。ちなみに僕はエアコン管理で一部屋まるごとブリードルームにしちゃってます。
自作温室の方法はいくつかあり、予算やスペース等の条件を考えて自分に合った方法を選ぶ必要があります。スタイロフォームを加工して断熱シートで保温、爬虫類用ヒータとサーモ(場合によっては逆サーモ)で温度管理する場合や、冷温庫、恒温槽(冷やし虫家)を使用する場合もあります。中には冷蔵庫を改造するツワモノもいるようですが、これは冷蔵庫メーカーに対する問題も生じますし、とても人におススメはできません。エアコン管理をしてしまえばラクチンですが、ランニングコストがかかるので家族からの反対に合う場合もあるでしょう。そんなときはクワガタでの副業も考えてみるといいかも知れませんよ。詳しくは副業のページで方法を紹介します。
3 累代表記を知る
クワカブをブリードする場合は累代は必ず確認した方がいいと思います。次世代を作らず、鑑賞目的のみで飼育する場合は問題すない話ですが、同血種間で累代がすすむと孵化不全、蛹化不全、羽化不全のリスクが高まると一般的に言われています。同血種間4世代目累代程度から影響が出るなんて話も聞きますが、僕自身は経験していないものなので具体的な経験での話はお話できません。どうも種によっても違うそうですし。気になれば早めにアウトかけてやるしかないかなと思います。
インブリード ・・・同腹兄弟でのブリード
アウトブリード・・・同種異血でのブリード。同じ意味でクロスブリードという人もいる
WD ・・・ワイルド。採集品。
WF1 ・・・ワイルドの子供。
WF2 ・・・ワイルドの子供の子供。単にF2とする人も多い。
CBF1 ・・・アウトブリードした結果得られた子供。
CBF2~ ・・・アウトブリードした結果得られた子供のインブリード2~世代目。
これだけ分かっていれば基本問題ないと思います。CBと表記してある場合、CBF1のことだったり累代不明だったりするので確認した方がいいと思います。あと、単純に「F〇」と表記してあるのは、CB系かWD系かどっちか分からないので、気になる人は確認してみるといいかもしれません。HBFなんて累代表記もあるそうですけど、異産地間交雑や近種間交雑の個体は基本的に嫌われるので、あんまりやらない方がいいと思いますよ。
この表記には学術的な裏付けが無く、なんとなく出来上がった共通認識だからです。言ってしまえば、累代の表記は間違われても確認のしようがありません。なので一度信頼を失うと取り返しのつかないことになるので細心の注意が必要です。
4 出来れば信頼出来るブリーダーを見つける
ブリードについて、自分でネットで調べて飼育するより、ショップで聞いた方が理解がめちゃくちゃ早いです。知り合いでクワカブ飼育している人がいなければ、ショップで聞くのが一番いいと思います。自分の疑問点をピンポイントで解決してくれるし、自分が思い至らなかった部分までしっかりとサポートしてくれる場合が多いかなと思います。飼育環境についての障壁の解決策もショップで聞いて解決する人が多いんじゃないかなと思いますよ。
それに、これは僕の個人的な思いなんですけど。。
好きでクワガタ飼育してる人は、同じように飼育してる人が好き!!
だと思っています。これは、クワカブショップ巡りの旅をしたときに僕が肌で感じたことです。なので、気持ちよく仲間に入れようとしてくれるんじゃないかなと期待を込めて言いたいですね。